利用を検討する段階で保護者が最もつまずきやすいのが、利用条件と行政手続きの煩雑さです。まず押さえておきたいのが、放課後等デイサービスの利用条件において「障害者手帳の所持は必須ではない」という事実です。
放課後等デイサービスの対象年齢は原則として小学1年生から高校3年生(6歳〜18歳)ですが、行政上の支給決定を受ける要件は「療育の必要性が認められること」です。医師による診断書や総合病院・発達クリニックの発行する意見書、あるいは児童相談所などの公的相談機関からの判定があれば、療育手帳や身体障害者手帳を持たないグレーゾーンのお子さんでも門戸は開かれています。
経済面を左右する放課後等デイサービスの費用は、国と自治体による給付費で9割が賄われるため、利用者の自己負担は原則1割です。さらに世帯の課税所得に応じて以下の「月額負担上限額」が法律で厳格に定められています。
- 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯:上限月額 0円
- 年収約890万円未満の世帯(通所給付決定保護者の課税所得基準):上限月額 4,600円
- 年収約890万円以上の世帯:上限月額 37,200円
たとえば年収約500万円の世帯であれば、月に15日通っても自己負担の請求は最大4,600円で頭打ちとなります。ただし、活動で使う教材費やおやつ代(1回100円〜200円程度)、施設外活動の交通費・入場料などは「実費負担」として別途請求される点に留意してください。
利用に不可欠な受給者証の取得方法は、大まかに以下の5つのステップで進みます。
- 相談窓口への問い合わせ:お住まいの市区町村の福祉担当課(障害福祉課や子育て支援課)に利用意向を伝える。
- 事業所の見学・体験:通所を希望する放課後等デイサービスを実際に訪問し、受け入れ枠の有無やプログラムを確認する。
- 受給者証の申請手続き:医師の診断書や意見書を添付し、自治体へ障害児通所給付費の支給申請を行う。
- 障害児相談支援事業所による支援利用計画案の作成:相談支援専門員と面談し、どのような頻度でどういった支援を受けるかの計画書を作成・提出する。
- 受給者証の交付・契約:自治体から毎月の利用可能日数(支給日数)が記載された受給者証が手元に届いた後、事業所と本契約を交わす。