新築マンションや湿度の高い和室、あるいは本棚の周囲に、白ごまをさらに小さくしたような0.8〜1.5ミリの淡褐色をした虫が群がることがあります。これはチャタテムシです。動きは非常に俊敏で、触れようとするとササッと隙間に逃げ込みます。
ネット上の掲示板やSNSでは「チャタテムシに噛まれて腫れた」という声が散見されますが、これは医学的な誤解に基づいています。チャタテムシは口器が小さく皮膚を噛むことはできません。実際の痒みの原因は、チャタテムシを捕食するために集まってきたツメダニに刺されたことによるものです。
しかし、チャタテムシそのものを放置してよい理由にはなりません。環境アレルゲン研究の専門機関による報告では、チャタテムシの死骸や糞が乾燥して室内のハウスダストと混ざり合うことで、気管支喘息や小児アトピー性皮膚炎の主要な原因物質となることが実証されています。主な発生源は「カビ」です。湿度が60%を超える環境下で繁殖した目に見えない微細なカビ菌糸をエサとするため、結露の生じやすいサッシ周り、押し入れの奥、敷きっぱなしの布団の下、段ボール箱の隙間などが繁殖の温床となります。
あわせて注意したいのがヒメマルカツオブシムシです。春先(4〜5月)に成虫が外から洗濯物などに付着して室内に侵入し、クローゼット内で産卵します。孵化した幼虫は毛で覆われた紡錘形で、ウールやカシミヤなどの高級動物性繊維を食い尽くします。クローゼットを開けた際に「丸いごまのようなまだら模様の虫」を見かけた段階で、内部の衣類にはすでに幼虫による食害被害が発生しているシグナルと受け止めるべきです。