心理職を目指す上で避けて通れないのが、国家資格である公認心理師と、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が管轄する民間資格臨床心理士の差異です。
制度発足当初は「公認心理師一本化へ向かう」との見方も一部にありました。しかし、臨床現場の現実は異なります。現在もなお、病院の精神科やスクールカウンセラーの求人公募要件において、「公認心理師かつ臨床心理士を有する者(または取得見込みの者)」というダブルライセンス指定が多く見受けられます。
公認心理師は五大分野(医療・教育・福祉・司法・産業)を横断し、法的な守秘義務や「主治の医師がいる場合の指示・連携」が明記された職責を持ちます。一方の臨床心理士は、心理査定、心理面接、地域援助、調査研究という4つの独自業務を深め、独自の倫理基準と長年の臨床教育の歴史を持ちます。
現在、全国の公認心理師対応大学院一覧に名を連ねる機関の多くは、「第1種臨床心理士指定大学院」との重複認定を受けています。受験生にとっては両方の受験資格を同時に満たせるメリットがある反面、課される必修単位数が増加し、カリキュラムが過密化しているという裏返しの現実も把握しておく必要があります。