インターネット上の掲示板やSNSでは、「一度も店舗に行かない賃貸契約は違法ではないのか」「おとり物件を掴まされるのではないか」といった懐疑的な声が散見されます。この真偽について、法制度と現場実態の両面から検証します。
「来店不要の契約は違法」という認識は完全な誤解です。2017年の本格運用開始、そして2022年の宅建業法第34条の2(媒介契約)、第35条(重要事項説明)、第37条(契約締結時交付書面)の電子交付解禁により、国家資格者が法的手続きに則って実施する限り、100%合法な取引形態です。
ただし、悪質な事業者による脱法行為がゼロではない点には警戒が必要です。過去の摘発事例や行政指導の対象となったケースには、以下のような実態が存在します。
- 無資格者による代行説明:宅建士ではない無資格の営業マンが画面越しに説明を行い、免許証の提示を意図的に濁す手口。
- 録画ビデオの視聴強要:双方向のリアルタイム通話を行わず、「あらかじめ録画された重説動画を視聴して確認ボタンを押させる」という明白な業法違反。
- 書類の事後送付:画面を見せながら説明し、肝心の重要事項説明書データが説明終了後に送られてくるケース(事前の内容確認が不可能なため違法)。
怪しい会社を排除するための最大の識別点は、宅地建物取引士証の提示手順です。説明の冒頭で、取引士証のホログラムや顔写真、有効期限をカメラに密着させて契約者に確認させる手順を省こうとする業者は、その時点で信頼に値しません。