上強膜炎の自然治癒と治る期間については、軽症の単純性上強膜炎であれば、特別な治療を行わなくても1〜2週間程度で自然に炎症が沈静化することが医学的にも知られています。血管の自己修復能力によって充血は徐々に退色していきます。
しかし、「自然に治るなら眼科に行かずに放置して良いか」といえば、答えは明確に否です。結節性上強膜炎の場合は治癒まで数週間から数ヶ月を要することもあり、何より強膜炎の初期病変を除外診断できないまま放置すると、不可逆的な視覚障害につながる恐れがあるためです。
上強膜炎の治し方とステロイド点眼薬を中心とした、現代の標準治療ガイドラインは以下のステップで進められます。
- 第1選択薬(軽症例):非ステロイド性抗炎症点眼薬(NSAIDs点眼)
プラノプロフェンやジクロフェナクなどの点眼薬を使用。血管収縮剤と異なり、炎症カスケードを抑制して痛みと充血を鎮めます。緑内障のリスクが低いため、初期や軽度の場合に優先されます。 - 第2選択薬(中等症〜結節性):低濃度ステロイド点眼薬
NSAIDsで十分な効果が得られない場合、0.1%フルオロメトロン点眼液などの低濃度ステロイド点眼が極めて高い奏功率を示します。通常、点眼開始から2〜3日で充血は劇的に消退し、1週間前後でほぼ寛解します。 - 全身療法の併用(難治・重症例):経口NSAIDs・内服ステロイド
点眼のみでコントロールできない強い痛みや結節性の病変には、ロキソプロフェンやセレコキシブなどの内服薬が処方されます。
ステロイド点眼薬を使用する際に絶対に遵守すべきルールが、「自己判断での急な中断や漫然とした長期連用を避けること」です。ステロイドに反応して眼圧が上昇する「ステロイド緑内障」や角膜感染症のリスクを排除するため、眼科医の指示に従い、徐々に点眼回数を減らす(テーパリング)手順と定期的な眼圧測定が不可欠です。