SNSやネット掲示板を検索すると「安すぎて倒壊するのではないか」「築10年でボロボロになる」といった過激な論調が散見されます。この超ローコスト住宅の耐震性と寿命にまつわる疑惑について、999万円の家の評判と真相を技術的な観点から精査します。
構造耐力に関して言えば、日本国内で建築確認申請を通過している以上、震度6強から7クラスの揺れでも倒壊しない耐震基準(耐震等級1)は満たしています。手抜き工事を意図的に行わない限り、大地震で一瞬にしてペシャンコに潰れるような事態は法的に防がれています。
懸念すべきは、耐震性能そのものよりも「耐用年数とメンテナンスサイクル」です。超低価格住宅では、外壁材に最も安価な厚み14mm前後の窯業系サイディング(釘留め工法)が採用される傾向があります。接合部のシーリング材や塗料の耐候性グレードが低いため、7〜10年スパンで外壁のチョーキング(白粉化)やシーリングの破断が発生しやすくなります。
屋根材に関しても、安価なアスファルトシングルやスレートが使われている場合、10年を過ぎたあたりから色褪せやコケの発生、ひび割れが顕在化します。初期費用を999万円に抑えられたとしても、築10〜15年目の段階で外壁・屋根塗装や防水補修に150万〜200万円前後のメンテナンス費用を一括で投じなければ、建物の躯体内部に雨水が浸入し、一気に寿命を縮めるリスクを背負うことになります。