ニホンヤモリをはじめとするトカゲ亜目の雌雄を見分ける際、最大の鑑別ポイントとなるのが尾の付け根の膨らみと前肛孔の有無です。ライフスタイルメディア『grape』や爬虫類専門飼育サイトの検証記事でも指摘されている通り、この2つの解剖学的特徴を把握しておけば、成体の識別で迷うことはほぼありません。
まず注目すべきは、総排泄孔(クロアカ)のすぐ後方、尾の付け根部分のシルエットです。成熟したオスには、生殖器である一対の「ヘミペニス」が格納されているため、尾の付け根が左右にぽっこりと2つのコブのように隆起します。これに対し、メスは生殖器を収納するスペースを必要としないため、総排泄孔から尾の先に向かって段差がなく、すっきりと滑らかなストレート形状を描きます。
次に確認したいのが、総排泄孔の少し前(頭側)の下腹部に位置する「前肛孔(ぜんこうこう)」です。オスはこの部分のウロコに小さな穴(分泌孔)が一列、緩やかな「V字」または「へ」の字を描くように並んでいます。ここからフェロモンやワックス状の分泌物を出し、自らの縄張りや存在をアピールします。メスにも鱗の痕跡がうっすら見える個体はいますが、オスのように明確な穴が開いて分泌物が詰まることはありません。