名画『最後の晩餐』の意味とは?裏切りの予言と12使徒の謎を徹底解剖について見逃せない 理由を分かりやすい構成で解説いたします。
従来の宗教画において、最後の晩餐は弟子たちが整然と横並びになるか、あるいは裏切り者ユダだけをテーブルの反対側に隔離して描くのが定石でした。しかしダ・ヴィンチはその因習を完全に破壊しました。12人の使徒を「3人ずつの4つのグループ」に分割し、中央のキリストから左右対称に配置することで、劇的なダイナミズムと幾何学的な調和を同時に成立させたのです。
この「3」という数字はキリスト教における三位一体(父と子と聖霊)を、「4」は四福音書や東西南北(世界)を象徴しています。それぞれの使徒がどのような感情を爆発させているのか、以下の比較表に整理しました。
グループ構成(画面左から)該当する使徒と仕草感情表現・象徴的モチーフ美術史的・心理的意義第1群(最左翼)バルトロマイ、小ヤコブ、アンデレ立ち上がり身を乗り出す、両手を上げて驚愕を露わにする告発の言葉が端へ伝播した瞬間の「突発的な動揺と当惑」第2群(キリスト左手側)ユダ、ペテロ、ヨハネ銀貨の袋を握る(ユダ)、ナイフを構え身を乗り出す(ペテロ)、悲しみに沈む(ヨハネ)本作のドラマの頂点。「罪・激情・無償の愛」が交錯する人間ドラマ第3群(キリスト右手側)トマス、大ヤコブ、ピリポ人差し指を立てる(トマス)、両手を広げ驚愕する(大ヤコブ)、胸に手を当て弁明する(ピリポ)キリストに最も近しい弟子たちの「激しい悲嘆と純粋な問いかけ」第4群(最右翼)マタイ、タダイ、シモン体は長老シモンを向きつつ、手と視線は中央のキリストを指す事態の真相を議論し合う「理性的な検証と戸惑いの連鎖」
12人が3人ずつの小宇宙を形成し、それがキリストに向かって波のように押し寄せ、また引いていくようなリズム感を生み出しています。ダ・ヴィンチの手記に残された構想素描からも、彼が人物同士の視線の交錯と手のジェスチャーの連鎖に何ヶ月も苦心した形跡が窺えます。