境界性パーソナリティ障害の接し方|共倒れを防ぐ境界線と対応法

境界性パーソナリティ障害の接し方|共倒れを防ぐ境界線と対応法

境界性パーソナリティ障害の接し方|共倒れを防ぐ境界線と対応法の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

かつて境界性パーソナリティ障害は「治療が極めて困難な疾患」と見なされていましたが、精神医療の進歩により、適切な精神科治療を受けることで寛解を目指せる病気となっています。目白メンタルクリニックをはじめとする専門医療機関の治療指針でも明確に示されている通り、BPDの治療は薬物療法単独では不十分であり、専門的な精神療法(心理療法)を主軸に据えることが国際的なガイドラインで推奨されています。

特に世界的に高いエビデンスを持つ治療アプローチが、以下の2つです。

1. 弁証法的行動療法(DBT:Dialectical Behavior Therapy)
マーシャ・リネハン博士によって開発された治療法です。「受け入れること(アクセプタンス)」と「変えること(チェンジ)」という相反する2つの概念を統合しながら、マインドフルネス、感情調節スキル、苦痛耐性スキル、対人関係調整スキルを体系的に学びます。衝動的な自傷行為や希死念慮の頻度を劇的に減少させる治療実績が多数報告されています。

2. スキーマ療法(Schema Therapy)
認知行動療法を発展させたアプローチであり、幼少期に形成された根深い「否定的な信念(見捨てられスキーマ、欠陥スキーマなど)」にアプローチし、自分の中に安全な大人の自己を育てていく治療法です。

周囲が本人に精神科受診を促す際は、「あなたが異常だから病院へ行って」と告げてはなりません。「あなたの感情が急激に苦しくなるのを、少しでも楽にする専門のトレーニングがあるらしいから、一緒に話を聞きに行ってみないか」と、本人の苦痛の軽減を目的として提案することが受診への心理的ハードルを下げる秘訣です。

一人で抱え込まないための「パーソナリティ障害 相談窓口 支援センター」

本人がどうしても受診を拒否する場合でも、家族やパートナー単独で相談できる公的機関が全国に存在します。

・精神保健福祉センター(各都道府県・政令指定都市)
こころの健康に関する公的な専門機関です。専門の精神科医や精神保健福祉士が常駐しており、家族からの相談を無料で受け付けています。本人不在でも具体的な対応策を指導してもらえます。
・保健所・保健センター(各市区町村)
地域に密着した医療福祉の相談窓口です。必要に応じて訪問支援や、医療機関への橋渡しを行ってくれます。
・家族会(パーソナリティ障害の家族支援団体など)
同じ苦しみを持つ家族が集まり、対応の成功体験や失敗体験を共有するピアサポートの場です。「自分たちだけではない」と実感できることが、支援者の精神的な命綱となります。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。