映画は実話をベースに脚色されていますが、実際の介護人交代の経緯は映画の描写とは少し異なります。実在した大富豪はフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴ氏、そして介護人のモデルとなったのはアルジェリア系移民のアブデル・ヤスミン・セルー氏です。
映画では数ヶ月から1年ほどの濃密な日々に凝縮されていますが、現実のアブデル氏はおよそ10年間にわたってフィリップ氏の介護と生活のサポートを務めました。彼らが別れを選んだ本当の理由は、双方にほぼ同時期に「運命の出会い」が訪れたことでした。
フィリップ氏がモロッコで新たな妻となる女性と出会って再婚を決意したのと時を同じくして、アブデル氏もまた生涯を共にするパートナーと巡り合いました。フィリップ氏の生活基盤がモロッコへ移り、アブデル氏自身も家庭を持つ時期が重なったことで、2人は自然な形で雇用の関係に終止符を打ちました。