セルフオフを試みた多くの人が戦慄するのが、「剥がしたシールに大量の自毛がびっしり付着している」という光景です。ネット上では「シールエクステでハゲた」という極端な言説も散見されますが、これには生理学的な事実と、物理的な破壊という2つの側面が絡み合っています。
まず前提として、人間の髪は自然脱毛によって1日あたり約50本から100本が毛周期(ヘアサイクル)の休止期を迎えて抜け落ちています。通常であればブラッシングや洗髪時に自然と流れ落ちるはずの毛が、シールエクステの粘着部に挟まったまま1〜2ヶ月間留まるため、外した瞬間にそれらが一気に現れて「大量に抜け落ちた」と錯覚してしまうケースが多々あります。
しかし、問題なのは物理的なダメージです。接着シールと自毛が密着した状態で乾いたまま引きちぎるように引っ張ると、毛根が成長期にある健康な髪まで強引に引き抜かれ、牽引性(けんいんせい)脱毛症を招きます。また、無理な剥離は髪の表面を覆うキューティクルを物理的に削り取るため、その後の深刻な切れ毛や枝毛の元凶となります。自毛を守るための対策は、接着剤を科学的に「中和・溶解・軟化」させ、摩擦ゼロに近い状態でスライドさせて外す工程を徹底することに尽きます。