近年のホワイトデーを取り巻く空気感は、昭和や平成のバブル期のような狂乱とは様相を一変させています。大手リサーチ企業が実施した意識調査やSNS上の定性データによると、返礼文化に対する生活者のスタンスには明確な分断と適応が見られます。
「義理チョコ・義理返しの廃止」を掲げる企業が大幅に増加した一方で、パートナーや家族、親しい友人、さらには「推し」や自分自身に対するプチ贅沢なギフト需要は極めて堅調です。職場での形式的なお返し文化から解放された人々が、本当に大切にしたい関係性への投資にシフトしている実態が浮かび上がります。
コミュニティサイトやSNS上の声を拾い上げると、現場のリアリズムが鮮明になります。
「会社の義理返しは正直ストレスだったけれど、完全撤廃されてからは、妻と少し値の張るマカロンを一緒に食べる純粋なお祝いの日に変わった」(30代・IT企業勤務)
「学生時代はお返しの意味を気にしてマシュマロをもらって泣いた友達がいたが、大人になってパティスリーの高級マシュマロ(ギモーヴ)のおいしさを知ってからは、意味なんて完全に後付けの都市伝説だと笑い話になった」(20代・広告代理店勤務)
現代の消費者は、ネットの「お返しの意味」に過度に束縛されることなく、上質な美味しさや相手との心地よいコミュニケーションを重視する実利的な価値観へと回帰しています。