倉庫現場の命綱「はい作業」とは?2M以上の法的義務と資格の真実

倉庫現場の命綱「はい作業」とは?2M以上の法的義務と資格の真実

倉庫現場の命綱「はい作業」とは?2M以上の法的義務と資格の真実について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をお届けします。

陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)や厚生労働省が公表する死傷災害データによると、倉庫や貨物取扱所における重大労災のトップ要因に必ず挙げられるのが「荷崩れ・倒壊」と「はいの上からの墜落・転落」です。数字の上では年間数百件規模の労災が発生していますが、現場のリアルな証言からは、法規通りにいかない泥臭い実態が浮かび上がります。

物流倉庫で10年以上のキャリアを持つベテラン作業員は、専門誌の取材や業界ヒアリングに対して次のように吐露しています。

「出荷時間が迫ると、誰もが焦る。一番危ないのは、上から順番に降ろさなければならない『はい崩し』で、手前や下の段から荷物を引っこ抜く『下抜き(トンネル掘り)』。これをやると上段の荷がバランスを崩して一気に雪崩を打つ。新人に『絶対に下から抜くな』と怒鳴った直後、自分自身が納期に追われて横着しそうになる瞬間がある。あの怖さは頭では分かっていても、現場のプレッシャーに負けそうになる」

SNSやネット掲示板(5ちゃんねる、Yahoo!知恵袋など)の生の声を見ても、荷崩れ防止対策の形骸化を告発する投稿は後を絶ちません。「2m以上の段積みなのに主任者が名前貸し状態で現場にいない」「フォークリフトで無理に3段積みに押し込んだ結果、パレットが割れて夜間に大崩落した」といった書き込みが散見されます。荷物の崩壊は自社商品の破損にとどまらず、下でピッキング作業を行う同僚の命を奪う凶器に変わります。現場では「慣れ」が生むわずかな手抜きが、即座に大惨事へ直結しているのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。