渋柿を焼酎で極甘にする渋抜き法|失敗しない度数と日数の決定打

渋柿を焼酎で極甘にする渋抜き法|失敗しない度数と日数の決定打

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そもそも、なぜアルコールを吹きかけるだけで、あんなにも渋い果実が濃厚な甘みを持つようになるのでしょうか。柿の甘みが増すプロセスは、糖度そのものが物理的に増加するのではなく、渋柿の甘化タンニン変化という科学的な現象によってもたらされます。

渋柿の果肉には、水溶性タンニン(シブオール)が大量に含まれています。これが唾液に溶け出し、舌の表面にある味蕾(みらい)のタンパク質を瞬間的に凝固・変性させることで、脳が強烈な「収れん味(渋み)」として知覚します。人間が渋柿を不味いと感じる理由は、舌の上で成分が溶けてしまうからです。

ヘタからアルコール(エタノール)を吸収した柿は、密閉された袋の中で一種の窒息状態(無酸素状態)に陥り、果実内で嫌気呼吸を始めます。その過程で柿自身が持つアルコール脱水素酵素が働き、エタノールが「アセトアルデヒド」へと代謝されます。このアセトアルデヒドが水溶性タンニンと結合(重合反応)を起こすと、タンニン分子が巨大化し、水に溶けない不溶性タンニンへと性質を変えます。唾液に溶け出さなくなったタンニンは舌を刺激しないため、柿が元来蓄えていた15〜18度前後の高い糖分だけをダイレクトに感じるようになり、「驚くほど甘くなった」と実感できるのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。