朝起きた瞬間に生じる激痛の直接的な引き金は、睡眠中に身体の特定の部位へ過度な圧力がかかり続け、筋肉組織が「酸欠状態(虚血)」に陥ることにあります。人間の身体は眠っている間、無意識のうちに一晩あたり20〜30回程度の寝返りを打つことで、血管の圧迫を防ぎ、血液やリンパ液を全身に循環させています。しかし、敷寝具が合っていないと身体が深く沈み込みすぎたり、逆に過度な反発で腰が浮いてしまったりして寝返りの回数が激減します。この結果、数時間同じ姿勢で筋肉が押しつぶされ、起床時に強い張りや痛みとして爆発するのです。
さらに見過ごせないのが、自律神経の乱れによる睡眠中の筋緊張です。日中に強い精神的ストレスを受けたり、就寝直前までスマートフォンを注視していたりすると、睡眠中も交感神経が優位な状態が持続します。本来であれば副交感神経によって筋肉が弛緩すべき時間帯に、全身が常に戦闘態勢のように力み、無意識の食いしばりや背中の筋肉の強張りを生み出します。「寝ているのに肩や背中がガチガチになる」という現象は、まさに神経系が休養モードに切り替わっていないシグナルにほかなりません。