近年、20代〜40代の男性を中心に「美容室から床屋への回帰」という明確な地殻変動が起きています。かつて「床屋=おじさんが行くダサい場所」と見なされ、男性が競って美容室へ通った時代から、潮目が大きく変わりつつあります。
SNSやコミュニティサイトの生の声を集約すると、美容室に対する男性特有の「居心地の悪さ」が浮き彫りになります。「女性客や若いアシスタントに囲まれるのが落ち着かない」「担当スタイリストとアシスタントで施術が何度も分断されるのが疲れる」「おしゃれすぎて気後れする」といったストレスを訴える男性は少なくありません。
そうした層の受け皿となっているのが、クラシックなインテリアと無骨な男の世界観を打ち出した「ネオバーバー(新世代理容室)」です。革張りのバーバーチェアに腰掛け、ジャズやブルースが流れる落ち着いた空間で、一人の理容師がシャンプーからカット、シェービング、スタイリングまでマンツーマンで完結させるスタイルが支持を集めています。
また、現場の理容師への取材からは、「蒸しタオルで温められた後の本格シェービングの爽快感は、一度味わうと美容室には戻れない」というリピーターの心理が語られます。ビジネスの第一線で戦う男性にとって、清潔感を完璧に整える身だしなみの儀式として床屋が再評価されているのです。