現在市販されている製品の多くは、単なる水増しではなく物理的に糖質を遠ざける構造を採用しています。一般的な糖質カット炊飯器の仕組みは、加熱中に米からデンプン(糖質)が溶け出した煮汁を、内蔵された専用トレーや二重構造の釜で分離し、上部へ汲み上げたり下部へ排水したりする方式です。糖質が溶け込んだ水分をご飯に再吸収させないことで、物理的な糖質カットを実現しています。
しかし、このメカニズムこそが「ご飯がまずい」という悪評を生む最大の要因となっています。米の美味しさを決定づける甘みや粘り、豊かな風味は、まさに熱によって糊化したデンプンそのものです。その成分を煮汁ごと強制的に排出してしまうため、炊き上がりは必然的に「味が薄い」「甘みがない」「ボソボソしてパサつく」という状態に陥ります。
さらに、実用面におけるデメリットも見逃せません。構造が複雑なため洗うべきパーツが多く、毎回の後片付けが大きな負担になります。また、糖質カットモードで炊いたご飯はデンプンの保水構造が損なわれているため、保温すると短時間で黄ばみや異臭が発生しやすく、冷凍保存して電子レンジで解凍すると食感が著しく損なわれる傾向があります。