医療機関で頻繁に処方される抗生物質の中でも、代表格といえるのがペニシリン系の「サワシリン(一般名:アモキシシリン)」とマクロライド系の「クラリスロマイシン(製品名:クラリス、クラリシッドなど)」です。それぞれの特性や作用の違いを以下の比較表に整理しました。
サワシリンカプセル処方理由として最も多いのは、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)咽頭炎や急性中耳炎、副鼻腔炎などの確実な根絶です。ペニシリン系は細胞壁を壊して菌を直接倒す「殺菌性」を持ち、原因菌が感受性を有していれば劇的な効果を発揮します。ただし体内から排出される速度が速いため、血液中の薬中濃度を維持するために「1日3回毎食後」といった規則正しい服用が求められます。
一方、クラリスロマイシン効果は、細胞壁を持たない病原体(マイコプラズマ肺炎など)や細胞内寄生菌に対して極めて高い組織移行性を示す点にあります。また、少量長期投与によって気道粘膜の慢性炎症を抑える免疫調節作用を目的に処方されることも珍しくありません。しかし、過去数十年の過剰な処方背景から、国内の肺炎球菌などに対する耐性化比率が高水準にあることが学会等でも厳しく指摘されています。