目をつぶると生じるめまいにおいて、最も警戒すべきは小脳や脳幹を震源とする中枢性めまいです。内耳の異常であれば命を落とすことは稀ですが、小脳梗塞や脳出血は見逃せば後遺障害や生命の危機に直結します。
厚生労働省および日本脳卒中学会が啓発する鑑別基準に基づき、以下の「危険なめまいの見分け方」に該当する兆候が1つでもある場合は、自家用車や徒歩での受診を避け、直ちに119番通報で救急要請を行ってください。
【直ちに救急車を呼ぶべきレッドフラッグサイン】
- 言葉の異常:ろれつが回らない、言いたい言葉が出てこない、他人の言葉が理解できない
- 運動麻痺・感覚脱落:片側の手足に力が入らない、箸を落とす、片側の顔面や半身にしびれがある
- 視覚の異常:物が二重に見える(複視)、視野の半分が欠ける
- 歩行不能:他人の支えがなければ真っ直ぐ立つことができず、壁にぶつかったり一方向に倒れ込んだりする
- 突発的な激しい頭痛:これまでに経験したことがないような後頭部痛や締め付けられるような痛みを伴う
これらの中枢神経症状を伴わず、「首を振ったり姿勢を変えたりした瞬間だけ回転し、じっと安静にしていれば1分以内に収まる」という場合は、良性発作性頭位めまい症をはじめとする内耳性の可能性が高いため、落ち着いて翌診療日に専門科を受診する段取りを整えます。