ネットや動画サイトで「耳石自分で戻す方法」として広く紹介されているのが「エプリー法(耳石置換法)」です。エプリー法とは、頭を段階的に回転させながら重力を利用し、後半規管に入り込んだ耳石を元の前庭へと滑り落ち込ませる手技を指します。
この手技は医療現場でも非常に高い効果を上げていますが、自己流で実践することには大きな落とし穴が存在します。人間の三半規管は「後半規管」「外側半規管」「前半規管」の3つが左右それぞれにあり、耳石がどの半規管に落ちているかによって頭を動かすべき角度や方向がまったく異なります。
誤った手順でエプリー法を行うと、後半規管にあった耳石が別の半規管へ移動してしまい(管移動)、めまいがさらに悪化・長期化するケースが少なくありません。自宅で行う場合は、激しい回旋運動を伴うエプリー法をいきなり試すのではなく、比較的安全な耳石動かす体操(寝返り運動やブラント・ダロフ法)から始めるのが賢明です。