日本の地震予言を語る上で欠かせないのが、漫画家・たつき諒氏の作品『私が見た未来』を巡る言説です。東日本大震災の発生年を予知していたかのように解釈された表紙の描写から社会現象となり、復刻改訂版の出版時にも大きな話題を呼びました。2026年7月に起きたとされる大津波の夢についても、ネット上では「2026年以降の予兆ではないか」と拡大解釈が続けられています。
また、海外の予言者としてかつてワイドショーなどで頻繁に取り上げられたブラジルのジュセリーノ・ルス氏の地震予言も、定期的に蒸し返される定番トピックです。彼は自らの夢で見た日時を警告書として送付したと主張していましたが、綿密な検証の結果、外れた予言が膨大に存在することや、事後的な文書の日付偽造疑惑などが専門誌やメディアによって次々と暴かれました。
いわゆる「地震予言が当たった事例」の正体は、曖昧な表現で広範囲の地域を指定し、後から発生した地震に合わせて意味を後付けしたレトロフィッティング(後出し解釈)がほとんどです。過去の象徴的な事例を検証しても、確たる予知能力が証明されたケースは皆無と言えます。