スタンドという概念そのものを決定づけた第3部『スターダストクルセイダース』において、ザ・ワールドのビジュアルは極めて異質な完成度を誇ります。タロット大アルカナの最後を飾る21番「世界」を冠するにふさわしく、全身を覆う黄金の装甲と背部に配された二本の酸素ボンベのようなタンクは、深海ダイバーを想起させる重厚なシルエットを形成しています。
荒木飛呂彦氏によるDIOとザ・ワールドの公式イラストを観察すると、単なる格闘型スタンドにとどまらない「静と動のコントラスト」が緻密に計算されていることがわかります。額や膝、ベルトにあしらわれたハートのモチーフは、DIOの超越的なナルシシズムと甘美な邪悪さを象徴するデザインです。無機質なメカニカル感と生々しい筋肉美の融合こそが、ジョジョのラスボス神イラストとして幾度も語り継がれる最大の要因となっています。