ここで起きている現象で特に興味深いのは、利用者の多様化だ。特に20代前半のZ世代にとって、昭和レトロな内装や昭和歌謡のカラオケは、古臭いものではなく「フレッシュな体験」として映っている。
さらに、海外からの観光客による利用も爆発的に増えている。有名観光地を巡る定番ルートに飽きた旅行者たちが求めるのは、ローカルな日本の日常体験だ。「ガイドブックには載っていない、地元の人々が夜を過ごす場所に行きたい」。そう願う彼らにとって、狭い店内で日本語と英語が入り混じるスナックの夜は、旅のハイライトになり得る。言葉が通じなくとも、手拍子一つ、カラオケの一曲で店全体が一体となる瞬間が、言葉の壁をやすやすと超えていく。