しかし、ネット上の華やかな世界だけで全てが完結するわけではない。リスナーが求める「過激なキャラクター」や「ステレオタイプなニューハーフ像」を演じ続けることで、精神的な疲弊を抱える配信者も少なくない。
ネット世界では、派手なメイクやユーモアあふれるトーク、あるいは性的な要素を前面に出したコンテンツがアルゴリズムに乗って拡散しやすい傾向がある。その結果、本人が望む「一人の女性としての穏やかな日常」と、ネット上で演じる「消費されるキャラクター」との間でギャップが生じ、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るケースが後を絶たない。
さらに、デジタル上の人気がそのまま社会的な信用に結びつくとは限らない。賃貸マンションの契約や金融機関での融資審査において、ネットクリエイターという不安定な職業属性と性別変更の手続きの途上にあるという事情が重なり、現実の壁にぶつかる当事者は依然として多いのが現状だ。