なぜモンゴル力士は強いのか?歴代横綱の軌跡と強さの秘密を徹底解剖

なぜモンゴル力士は強いのか?歴代横綱の軌跡と強さの秘密を徹底解剖

なぜモンゴル力士は強いのか?歴代横綱の軌跡と強さの秘密を徹底解剖についての最新情報をお届けします。

土俵際での驚異的な粘り、懐に入られても崩れない下半身の強さ――。モンゴル出身力士の強さを紐解く上で欠かせないのが、モンゴルの伝統格闘技である「ブフ(モンゴル相撲)」の存在です。

ブフは大相撲と似て非なる競技であり、決定的な違いがいくつか存在します。大相撲には「土俵」という明確な境界線があり、足の裏以外が地面につくか土俵外に出ると負けになりますが、ブフには土俵の概念がありません。膝や肘、背中など「足の裏以外の部位」が地面につくまで勝負が続きます。また、体重無差別の立ち合いから始まり、相手の脚を掴む「足取り」や多彩な投げ技、内掛けなどの足技が縦横無尽に繰り出されます。

このブフで鍛え上げられた力士は、重心の低さと柔軟な股関節、そして相手の動きを瞬時に察知してバランスを立て直す体幹の強さを無意識に体得しています。日本相撲協会の関係者も「彼らは土俵際に追い詰められてからの腰の据わり方が根本的に異なる」と舌を巻くほどです。

さらに見逃せないのが、モンゴルの大自然で培われる生活環境と圧倒的なハングリー精神です。標高1,000メートルを超える高地で、冬には氷点下30度を下回る厳しい気候。幼少期から馬に乗り、家畜を追い、ゲルでの過酷な暮らしを支える中で、自然と強靭な骨格と心肺機能が形成されます。家族の期待を一身に背負い、「大相撲で成功して故郷に錦を飾る」という覚悟の違いが、日々の過酷な稽古を耐え抜く推進力となってきました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。