サビで連呼される「全然つかめない君のこと」というフレーズがあまりにもキャッチーなため、この歌詞自体が曲名だと勘違いされるケースは少なくありません。正式な曲名は「ないものねだり」。大阪・堺のライブハウスシーンから頭角を現した4人組ロックバンド、KANA-BOONがインディーズ時代に生み出し、2013年4月発売の全国流通ミニアルバム『僕がCDを出したら』のリード曲として収録された楽曲です。
当時の日本のインディーズロック界において、四つ打ちのダンスビートと鋭利なカッティングギターを融合させたサウンドはひとつのトレンドでしたが、「ないものねだり」はその決定打となりました。作詞・作曲を担当したフロントマンの谷口鮪は、自身のリアルな体験や身近な人間関係の摩擦を、ユーモアと哀愁を交えた独自の言葉遊びへと昇華させました。結果として、ライブハウスの最前列からYouTube、さらにはフェスの巨大ステージへと瞬く間に熱狂が波及し、バンドのメジャー進出を決定づけるマスターピースとなったのです。