「ひと昔前の縮毛矯正は、毛先までツンツンに伸ばすしか選択肢がありませんでした。そのため、段を入れるレイヤーカットを施すと毛先が毛羽立ったり、まとまらなくなったりするリスクが非常に高かったのです」
都内の有名サロンでクリエイティブディレクターを務める美容師はそう語る。かつての縮毛矯正は強アルカリ性の薬剤で髪のタンパク質を徹底的に切断し、高温のアイロンで固める手法が主流だった。その結果、髪は柔軟性を失い、針のように硬いストレートになりがちだったのだ。
ところが2026年の今、事態は一変している。酸性ストレートや中性領域での還元技術が成熟したことで、髪本来の柔らかさと弾力を保持したままの癖伸ばしが可能になった。硬さが消えた髪には、自在にレイヤーを刻むことができる。毛先がしなやかにカーブを描くため、レイヤー特有の立体感や毛流れが美しく再現されるのだ。ストレート=重たいロングという時代は終わりを告げ、軽やかさと艶を両立させたデザインが主流となった。