長年燻り続ける反日感情の高まりだが、2026年現在の情勢は従来の反日デモのような物理的破壊を伴う形とは大きく異なる。スマートフォンを開けば、ショート動画プラットフォーム上で過激な投稿が瞬く間に拡散する一方、実際の都市生活では日常が平然と営まれている。この二面性こそが、現在の現象を読み解く最大の鍵だ。
北京で長年ビジネスを展開する邦人駐在員は「ネット上の過激な言動と、目の前で接する一般市民の態度のギャップが大きい」と明かす。ネット空間ではナショナリズムを煽るコンテンツがインプレッションを稼ぐ商材と化し、アルゴリズムがそれを増幅している。しかし、その背後にある大衆の本音は、日中対立そのものよりも、国内の経済的閉塞感や将来への不安に対する鬱屈した感情の発散口を求めている側面が強い。