pixivやX(旧Twitter)、各種質問掲示板を調査すると、デジタル作画を始めたばかりの描き手が共通して陥る「デジタルの罠」が見えてきます。
最も典型的な失敗例が、「配布されているクリスタの葉ブラシをペタペタと均一にスタンプしてしまい、背景が平坦な壁のようになってしまった」という叫びです。無料や有料で手に入る葉ブラシは極めて便利ですが、ブラシ先端のサイズ、筆圧、描画角度のランダム設定を調整せずに連打すると、同じ向き・同じ大きさの葉が画面を覆い尽くし、機械的な不自然さが際立ってしまいます。
自作の葉ブラシを作る際にも、プロと初心者の間には決定的な意識の差が存在します。初心者は「完成した綺麗な葉1枚」をブラシ素材にしがちですが、第一線で活躍する背景アーティストは、「異なる角度で傾いた葉3〜5枚のシルエット」を組み合わせて登録します。さらに、散布パラメータで「色相の微細なブレ」と「重なり順のランダム化」を設定することで、数ストロークで有機的な茂みを生み出す仕組みを構築しているのです。