レトロゲーム機の黄ばんだプラスチックを脱色する手法として知られる「レトロブライト(高濃度過酸化水素水+UV-A照射)」を、スマホケースに応用する動画や検証記事がSNS上で話題を集めています。
当編集部が材料専門家の知見を交えて検証したところ、この手法はABS樹脂に添加された難燃剤(臭素系化合物)の黄変には効果を示すものの、TPUケースの紫外線劣化に対してはほぼ効果が得られないことが判明しました。一時的にわずかな明度の変化が見られるケースもありますが、内部まで進行したキノイド構造を完全分解することはできず、逆に強力な紫外線と酸化剤によってTPUの弾性低下と脆化が急速に進行します。
ネット上の「完全に新品同様へ復活した」とする報告の多くは、単に長年蓄積していた皮脂油膜が過酸化水素によって強力に脱脂洗浄された結果であり、素材内部の黄変そのものが解消されたわけではありません。