「東京や大阪は快晴なのに、なぜ新千歳便が欠航するのか」「雪は小降り配に見えるのになぜ飛ばないのか」という疑問を持つ旅行者は少なくありません。新千歳空港の欠航理由には、一般にはあまり知られていない航空運航上の明確な技術的基準が存在します。
主たる要因は以下の4点に集約されます。
- 滑走路視程(RVR)の低下:吹雪によるホワイトアウトでパイロットの視界が基準値を下回ると、着陸復行(ゴーアラウンド)や目的地変更(ダイバート)が余儀なくされます。
- 機体除氷作業(ディアイシング)の渋滞:主翼や尾翼に着氷した雪や氷を除去・防止する特殊薬剤の散布に1機あたり15〜30分を要し、誘導路上で長時間の離陸待ちが発生します。
- 横風制限値の超過:新千歳空港の滑走路方位に対して強い横風成分が吹き付けると、路面凍結と相まって安全な着陸限界を超えてしまいます。
- 使用機の手配不能(機材繰り):新千歳へ向かう前工程の飛行機が羽田や伊丹、福岡などから到着できず、折り返し便が連鎖的に欠航となります。
新千歳空港の雪の影響が現在進行形で出ている場合、運航再開見通しが「天候調査中」と表示されていても、実際には後続機の手配がつかずに実質的な運休が確定しているケースが多いため、機材の現在位置をフライトレーダー等で注視する洞察力が求められます。