現代のビジネスシーンやスポーツ界において、なんくるないさ 座右の銘として掲げる著名人やアスリートは少なくありません。プレッシャーがかかる大一番で過度な緊張を手放し、自らのパフォーマンスを最大化するためのアンカー(心の拠り所)として機能しているためです。
一方で、沖縄現地の文化伝承者や民俗学関係者の間では、メディアによって単純化された言葉の使われ方に懸念の声も上がっています。現地での聞き取り調査やコミュニティの言論空間では、以下のような本音とギャップが浮き彫りになっています。
「若い世代が締め切り直前に仕事を放置して『なんくるないさ』と笑っているのを見ると、本来のクガニコトバ(黄金言葉)の精神とは真逆だと感じる。おじぃやおばぁが口にするこの言葉には、苦難の時代を誠実に生き抜いてきた者だけが持つ『肚の据わり』があった」(沖縄県内の文化保存活動に携わる関係者の証言)
ネット上の質問サイトやSNSの投稿を分析しても、「同僚がミスを放置して『なんくるないさー』と言い放ちトラブルになった」という不満が散見されます。本来の教えである「まくとぅそーけー」が抜け落ちた結果、単なる逃避の免罪符として乱用されてしまうリスクが存在しているのが実態です。