SNSやネット掲示板で頻繁に語られる言説に「彼氏に尽くしすぎる女性は必ず都合のいい女になり、最終的に捨てられる」というものがあります。この言説は一見正しそうに思えますが、本質的なメカニズムを捉え損ねています。
家族社会学や行動心理学の視点から検証すると、問題なのは「尽くす行為そのもの」ではなく、その動機が「見返りを求める恐怖」に基づいているか、「純粋な利他」に基づいているかという点です。
嫌われるのが怖くて相手の顔色を窺い、頼まれてもいない身の回りの世話を焼き続ける行為は、心理学でいう「過剰適応(オーバーアダプテーション)」にあたります。過剰に適応された側は、無意識のうちに「罪悪感」や「母親のような鬱陶しさ」を感じるようになり、結果として性的・恋愛的な魅力を感じなくなっていきます。これが「尽くしすぎて冷められる」現象の真のカラクリです。
一方で、相手の自立を促し、必要なときにだけ的確なサポートを差し伸べられる女性は、男性にとって「かけがえのない人生の戦友」として扱われます。尽くすこと自体が悪なのではなく、「自己犠牲による愛情の買収」をやめることが肝要なのです。