禁固刑(きんこけい)とは、受刑者を刑事施設(刑務所等)に収容してその身柄・身体的自由を奪う「自由刑」の一種です。日本の刑法において、長年、身体を拘束する主刑として「懲役」「禁錮」「拘留」の3つが定められていました。
日常の会話やニュース解説で頻繁に比較される懲役刑との決定的な違いは、刑務所内で所定の労働を行う「刑務作業(所定の作業義務)」が法的に義務付けられているかどうかにあります。懲役刑に処された受刑者には木工、印刷、洋裁、金属加工といった刑務作業が義務として科される一方、禁固刑の受刑者には原則として作業義務が課されません。ただ居室内に収容され、身柄の自由を制限されることが刑罰の内容となっています。
刑罰の序列(どちらが重い刑罰か)について、刑法第10条では重い順に「死刑 > 懲役 > 禁錮 > 罰金 > 拘留 > 科料」と明確に規定されています。同じ期間の身体拘束であっても、労働義務を伴う懲役刑のほうが法制度上は重い刑罰と位置づけられています。
なお、公文書や法令上の正式な表記は金偏に固と書く「禁錮」ですが、常用漢字の制約などから一般メディアやWEB検索では「禁固」と代用表記されるケースが定着しています。法律上はどちらも同一の刑罰を指しています。