英会話スクールの現場講師や外資系企業に勤務するバイリンガル社員へのヒアリング取材において、日本人学習者が最も頻繁に陥る致命的なミスとして挙げられるのが「質問に対する不自然な返答」です。
例えば、海外の取引先やホストファミリーから「Would you like to come with us?(一緒に行きませんか?)」と好意的に誘われた際、日本語の「行きたいです!」を直訳して「Yes, I want to.」と返してしまうケースが後を絶ちません。実はこの返答、ネイティブスピーカーの耳には「ええ、私が行きたいから行きます」という自己中心的なニュアンスや、小さな子どもが駄々をこねているような稚拙な響きに聞こえてしまいます。
英語のポライトネス理論(丁寧さの規範)において、相手が「Would you like...」と丁寧に差し出してくれた敬意のボールは、同じレベルの丁寧さと喜び(Gratitude)を込めたフレーズで打ち返すのが鉄則です。相手の好意を受け止める言葉を添えずに自分の欲望(want)だけを主張してしまうと、無意識のうちに関係性に摩擦を生む原因になりかねません。