猛毒フッ化水素が半導体に不可欠な理由と日本企業シェアの真相

猛毒フッ化水素が半導体に不可欠な理由と日本企業シェアの真相

猛毒フッ化水素が半導体に不可欠な理由と日本企業シェアの真相を徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を分かりやすく展開します。

2019年7月、日本政府が対韓輸出管理の厳格化(個別許可制への移行)を発表した際、フッ化水素はフォトレジスト、フッ化ポリイミドとともに「対象3品目」の筆頭に挙げられました。当時、韓国メディアや政治主導で「フッ化水素の国産化100%達成」が大々的に報じられ、日本依存からの完全脱却が宣言された経緯があります。

しかし、半導体業界の取材データを精査すると、現場の現実は報道のトーンとは大きく異なっていました。韓国企業が内製化に成功したのは、主に液晶ディスプレイ用や一部の汎用メモリー半導体(レガシープロセス)で使われる液体フッ化水素です。最先端の極小回路を加工する気体フッ化水素(エッチングガス)や、超高純度を要する最先端EUV工程用の薬液に関しては、依然として日本からの輸入や、日本メーカーの海外現地法人からの調達に頼らざるを得ない構造が続いています。

半導体受託製造(ファウンドリ)の世界では、原材料の供給元を変更するだけで数ヶ月から1年以上の歩留まり検証が必要となり、莫大なリスクを伴います。2026年以降の日韓関係改善と輸出規制運用の正常化を経て、現在では無用な政治的対立を排し、品質と安定供給を最優先したサプライチェーンの再構築が現実的な着地点として定着しています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。