試合の趨勢が激変するイニングでは、スコアボードの数字が動く前段階に必ず「予兆となる配球」が存在します。プロ野球の一球速報を注視すると、カウント2-3の勝負球に至るまでの伏線が、投球ごとのコースと球種の変化から手に取るように伝わってきます。
元プロ捕手やバッテリーコーチが解説や手記で振り返るように、「勝負を決めたのは最後の痛打ではなく、2球前に投じられたインハイの見せ球だった」というケースは枚挙にいとまがありません。外角一辺倒に見える配球チャートであっても、直前の打席で見せた打者の踏み込みや目線のブレを突いた緻密な罠が仕掛けられています。
また、ベンチの采配がダイレクトに反映される場面でも速報画面は雄弁です。無死一・二塁の緊迫した場面で、初球からバントの構えを見せながらヒッティングへ切り替えるバスターエンドランの選択や、カウント別の極端な守備シフト。リアルタイムの打席速報に刻まれる1球ごとの挙動は、指揮官が描くゲームプランの狙いとリスクを余すところなく伝えています。