東京都北区十条台に位置する十条駐屯地は、一般的な自衛隊駐屯地が持つ「戦闘訓練の場」というイメージとは大きく異なります。広大な敷地に足を踏み入れると、迷彩服を着た隊員だけでなく、スーツ姿の防衛事務官や制服姿の海上・航空自衛官が忙しく行き交う姿が目に入ります。
この拠点の最大の特徴は、陸上自衛隊の補給・整備・調達を全国規模でコントロールする最高機関、陸上自衛隊補給統制本部(ALMC)が置かれている点です。有事や大規模災害時において、前線で活動する部隊へ燃料、弾薬、糧食、車両部品、医療品を滞りなく送り届けるための兵站戦略を24時間体制で立案・統括しています。
さらに見逃せないのが、自衛隊十条基地としての共同使用です。同一敷地内に陸上自衛隊補給統制本部、海上自衛隊補給本部、航空自衛隊補給本部という3自衛隊の兵站トップ組織が同居しており、統合運用の観点から極めて緊密な連携が図られています。駐屯地のトップである十条駐屯地司令は、陸上自衛隊補給統制本部長(陸将)が兼務しており、防衛組織全体における序列や重要度の高さが明確にうかがえます。