Q1:肛門腺の分泌物はどんな色や形状が正常ですか?異常なサインは?
A1:正常な分泌物は、サラサラした液体からやや粘り気のあるペースト状で、色は灰色、黄褐色、濃い茶色など個体差があります。注意すべき危険サインは「鮮血が混じっている(赤・ピンク色)」「黄色や緑色のドロドロした膿が出ている」「白っぽいチーズ状の塊が出る」といったケースです。これらは嚢内で強い細菌感染や組織の崩壊が起きている証拠であり、直ちに動物病院での抗生剤治療や洗浄が必要となります。
Q2:老犬になってからお尻を気にする頻度が増えました。加齢と関係がありますか?
A2:極めて深い関係があります。加齢に伴い骨盤底筋群の筋力が低下すると、排便時の自然排出能力が著しく衰えます。また、シニア犬は消化機能の低下から軟便になりやすく、便が肛門嚢を外側から押し広げる物理的刺激が減るため、分泌物が急速に滞留しやすくなります。シニア期に入った愛犬は、若い頃よりもこまめ(2〜3週間に1回程度)に動物病院やサロンでお尻の状態を確認してもらうことが推奨されます。
Q3:動物病院で肛門腺を絞ってもらう際、直腸に指を入れて処置されるのはなぜですか?
A3:獣医師が行う「直腸内触診」は、人差し指を肛門内に浅く挿入し、外側の親指と挟み込むようにして嚢を直接触知する高度な医療手技です。体外からやみくもに押し上げる方法に比べ、嚢の底に溜まった硬い分泌物を根こそぎ安全に排出し切ることができます。また、同時に直腸周囲のリンパ節の腫れや肛門嚢アポクリン腺癌などの悪性腫瘍を早期発見できるという大きな医学的メリットがあります。