コストコユーザーの間で長年論争の的となっているのが、「なぜ同じ兵庫県内の尼崎倉庫店や、近隣の京都八幡倉庫店、門真倉庫店には格安のガスステーション(GS)があるのに、神戸倉庫店には設置されないのか」という疑問です。周辺他店のハイオク・レギュラーガソリン価格がリッターあたり10円〜15円近く安価に提供されるコストコの給油施設は、会員にとって絶大なメリットを持つだけに、神戸倉庫店の非併設を残念がる声は絶えません。
この背景には、単なるコストコ側の敷地面積の問題にとどまらない、都市計画法、消防法(危険物規制)、および道路交通容量の壁が存在します。神戸倉庫店が立地する垂水区多聞町字小束山エリアは、隣接する神戸リサーチパーク(舞多聞地区)や学園南の広大な新興住宅街と至近距離にあります。開発当時の地区計画および用途地域指定において、大規模な地下燃料タンクや給油所設置に関する安全離隔距離の確保が極めてシビアに審査されました。
さらに決定的な要因となったのが、警察および道路管理者(神戸市建設局)との協議における交通容量の限界です。コストコのガスステーションは価格競争力が圧倒的であるため、給油目的の車両で独自の待機列が数百メートル規模で発生します。すでに土日ごとに満車となる本館駐車場の動線に加えてGS待機列が加われば、県道488号および小束山交差点の交通機能が完全に麻痺することは火を見るより明らかでした。敷地レイアウト上、給油待機スペースを本線から完全に遮断して敷地内に滞留させる十分な保安空地が確保できなかったことが、今日に至るまでガソリンスタンドが存在しない構造的理由です。