すべてがデータ化され、最適化され、予測可能になっていく現代において、芭蕉が旅の果てに見つめ続けたものは何だったのか。それは、決して思い通りにはならない自然の猛威であり、道中で出会った名もなき人々との一期一会の交わりであり、自らの肉体の衰えそのものだった。
「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」――死の床で詠まれたこの辞世の句には、生を制御しようとする人間の傲慢さを突き放すような、壮絶なまでのリアリズムがある。私たちは今、溢れかえる情報の奔流のなかで、本当に大切な感覚を見失いかけてはいないか。300年の時を超えて届く芭蕉の句は、効率化の階段を駆け上がる現代人の足を止めさせ、もっと静かに、もっと深く、この生を見つめ直せと囁きかけている。 (出典: 松尾 芭蕉 俳句(Yahoo!ニュース))
詳細を見る詳細を見る詳細を見る