横浜高校の応援といえば、他校の追随を許さない重厚な金管楽器の鳴りが最大の特徴です。その象徴として高校野球ファンの間で神格化されているのが「第五応援歌(通称:横高第5)」です。試合の勝負どころやイニングの開始時に奏でられるこの楽曲は、トロンボーンとユーフォニアム、チューバが奏でる重々しいリフから始まり、聴く者に凄まじい威圧感を与えます。
野球応援の研究家やアルプス席を訪れた吹奏楽指導者の分析によると、一般的な高校の応援曲が高音のトランペットを主軸に設計されているのに対し、横浜高校の譜面構成は中低音域のユニゾンと分厚いコード進行に重きが置かれています。これが球場の反響板と相まって、相手バッテリーに強烈な心理的圧迫を与える「音の壁」を作り出しています。
第五応援歌のほかにも、伝統の「第一応援歌」や、走者が得点圏に進んだ際に球場のボルテージを一気に最高潮へ引き上げるチャンステーマ群など、応援歌のバリエーションは極めて緻密に組み立てられています。応援指導部(チア・リーダー)や在校生のメガホンの打音と完全に同期する計算されたリズム隊のアンサンブルは、長年培われた横浜高校独自の無形文化財といえます。