インターネット上の大手コミュニティ(Yahoo!知恵袋、X、美容系口コミ掲示板)を調査すると、ニキビの自己処置によって取り返しのつかない悲劇に見舞われたユーザーの手記が膨大に蓄積されています。臨床現場の皮膚科医たちが日々直視しているのも、そうした「良かれと思って行った自己流ケア」が招いた無残な結果です。
知恵袋に寄せられた20代男性の投稿では、赤く膨らんだ鼻の横のニキビを「早く平らにしたい」一心で爪で強く挟み、黄色い膿が出たことで安心したものの、翌朝には顔の半分が蜂窩織炎(ほうかしきえん)のように腫れ上がり、緊急受診を余儀なくされた生々しい顛末が記録されています。医師から告げられたのは「真皮が広範囲に挫滅しており、傷痕が完全に元に戻ることはない」という残酷な宣告でした。
また、美容クリニックのカウンセリング現場で最も多く聞かれるのは、30代以降の女性たちによる「10代から20代の頃、白ニキビができるたびに市販の毛穴パックや押し出しスティックでグリグリと角栓を取っていた」という告白です。一時は毛穴が空っぽになって快感を得たものの、結果として毛穴周囲の弾力線維が破壊され、すり鉢状にぽっかりと開いた毛穴の開きや、影を落とすクレーターとなって半永久的に残ってしまうのです。そのクレーターを美容レーザーやサブシジョンで治療するには、数十万円から百万円を超える高額な費用と数年の歳月を要することになります。
SNS上での「プチッと潰す瞬間が爽快」「膿を出したら治りが早かった」という断片的な成功体験談は、たまたま毛包壁が破裂しなかった極めて幸運なレアケースに過ぎません。その背後には、声を上げることすらできず、ファンデーションで隠しきれない凹凸に涙を流している無数のサイレントマジョリティが存在することを決して忘れてはなりません。