インターネットの質問サイトやSNSでは、「結婚式でパンツスーツやパンツドレスを着るのはマナー違反か」という議論が定期的に巻き起こります。結論から述べると、結婚式パンツドレスNGの真相は「かつての格式分類における位置づけ」が誤解されて広まったものに過ぎません。
礼装の歴史において、女性の正礼装・準礼装はスカート(ローブ・デコルテやアフタヌーンドレス)が基本とされ、パンツスタイルは「略礼装(インフォーマル)」に位置づけられていました。そのため、格式を最重視する伝統的なホテルや神社仏閣での格式高い挙式、親族としての参列では避けられる傾向があったのは事実です。しかし、現代の友人の結婚式においては、デザインや素材がフォーマル仕様であれば、パンツドレスの着用は何ら問題ありません。
ただし、日常のオフィスカジュアルをそのまま流用したようなコットン素材や、ビジネス用のテーラードパンツスーツは「平服すぎ力不足」と見なされます。選ぶべきは、上質なとろみや落ち感のあるジョーゼット素材、レースの切り替え、ワイドシルエットでドレープが美しく揺れるフォーマル専用のパンツドレスです。アクセサリーやクラッチバッグで華やぎをプラスすれば、スタイリッシュかつ品格ある参列スタイルとして成立します。
もうひとつの盲点は、親友の結婚式ドレス色選びにおけるカラードレスとの被りです。親友の式では、新婦の隣で写真に収まる頻度が格段に高くなります。もし新婦がお色直しで着用するカラードレスと同系色のドレスを着ていた場合、主役を引き立てるどころか、写真全体のバランスが崩れてしまう恐れがあります。可能であれば事前に「何色系のドレスを着る予定か」をさりげなく確認しておくか、あえてネイビーやオリーブ、ボルドーなどの深みのある定番色を選ぶことで、主役の華麗なカラーリングと美しく対比させることができます。