大衆が抱く「ケンドーコバヤシ」というパブリックイメージと、実際の小林友治という人間の間には、興味深い解離が存在します。多くの人が誤解しがちなポイントとして、「不良少年やアウトロー上がりの芸人」という思い込みが挙げられます。
金髪にヒゲ、強面でプロレス的な言動を繰り返すため、荒んだ家庭環境で育ったと勘違いされるケースが散見されます。しかし実態はその真逆です。前述の通り、整った経済環境と知的な親の庇護のもとで、文化的教養を十分に吸収できる環境にありました。
彼が番組で見せる博覧強記ぶり——昭和歌謡、漫画、プロレス、歴史、哲学的な比喩表現に至るまでの圧倒的なボキャブラリーは、読書を推奨した家庭環境と、父親が買い揃えていた書棚の存在なくしては成立しませんでした。「アウトローな芸風」は彼が徹底的に研究して作り上げた高度なプロデュースの賜物であり、その土台を支えているのは、極めて健全で知的な家庭教育だったという点が、見落とされがちな本質です。