映画鑑賞料金の引き上げが話題となって久しいが、実際の動員データは意外な事実を示している。最安の鑑賞枠よりも、ゆったりとしたリクライニングチェアや専用ラウンジが用意された「プレミアムシート」から先に予約が埋まっていくのだ。
安さよりも質の高さをとる。可処分時間の奪い合いが激化する現代において、人々は「単に映画を見る時間」にお金を払っているのではない。雑音のない空間で、完璧な音響と心地よい座り心地に包まれながら映画に没頭する「上質な体験」そのものを買いに来ている。映画館側もこのニーズを捉え、座席密度の調整やフードメニューの高級化など、大人向けの空間づくりにシフトしている。