このブームは、観光客の減少に苦しんでいた地方の温泉街に劇的なV字回復をもたらした。これまでインバウンドの「宿泊需要」に依存していた地域が、水資源の「外貨獲得(EC・輸出)」という新たな収益の柱を手に入れたからだ。
秋田県のある小さな温泉郷では、休業に追い込まれていた老舗旅館の有志が共同でボトリングプラントを立ち上げた。湧出量の余剰分を有効活用し、定期購入(サブスクリプション)モデルで全国の顧客へ直送する仕組みを構築。結果として、観光のオフシーズンでも安定したキャッシュフローが生まれるようになり、地元の若者雇用まで創出している。単に観光客を「待つ」時代から、価値ある資源を全国へ「届ける」時代への転換点と言えるだろう。