純役を演じた吉岡秀隆、そして螢役を演じた中嶋朋子。二人はまさに、富良野の自然とカメラの前で少年少女から大人へと成長を遂げた。実際の撮影は、ドラマの枠を超えた一種のドキュメンタリーに近い過酷さを極めていたという。
氷点下数十度に達する富良野の冬。吐く息が白く凍りつく中で、子供たちにとって田中邦衛は本当の父親以上の支えであった。吉岡秀隆は後に「田中邦衛さんの背中を見て演技とは何か、生きるとは何かを学んだ」と振り返り、中嶋朋子も「現場での田中さんの温かな笑顔がなければ、あの過酷なロケを乗り越えられなかった」と口をそろえる。劇中で描かれた親子愛は、演技を超えた本物の絆によって裏打ちされていたからこそ、何十年経っても色あせない感動を呼び起こすのだ。