今後の相場展開を左右する最大の変数は、FRBの利下げ・利上げ動向と日本銀行の金融政策発表のタイミングです。
米国の労働市場やコアインフレ率が底堅く推移し、FRBの利下げが緩慢にとどまる場合、日米の金利差は高止まりし、ドル円は底堅い展開を維持する可能性が高くなります。一方、日銀が賃金と物価の好循環を確認しながら追加利上げの姿勢を明確に強めた場合、あるいは米景気後退懸念から金利低下が一気に進んだ場合には、1ドル=140円台前半や130円台後半に向けた巻き戻し(円高方向への調整)が現実味を帯びてきます。
ドル円の今後の見通し(2026年)における基本シナリオとしては、従来の「一方的な円安独歩高」の局面から、日米の金融政策の綱引きによる「高ボラティリティのレンジ相場」へと移行しつつあります。企業の想定為替レート(多くの企業が145円〜150円前後に設定)との乖離にも注視が必要です。
【プロの結論】資産防衛としてドルを持つべき人・慎重になるべき人の判断基準
為替リスクに対してどのように行動すべきか、個人の状況に応じた明確な判断基準は以下の通りです。
▼ 外貨(ドル建て資産)の保有・積立を優先すべき人:
- 資産の大半が日本円の預貯金に偏っており、インフレによる実質資産の目減りをヘッジしたい人
- 数年以内に海外旅行、留学、海外移住などの明確な外貨支出予定がある人
- 積立投資(NISA等)を通じて10年以上の長期スパンで資産形成を行っている人
▼ 短期的なドル買いに慎重になるべき人:
- 「ニュースで円安と騒がれているから」という理由だけで、高値圏で一括して外貨預金を始めようとしている人
- 1〜2年以内に使う予定の教育資金や住宅購入資金など、減らせない短期資金を用いようとしている人
- 為替手数料が高い窓口サービスを利用し、短期売買での為替差益を狙おうとしている人