安達有里氏の過激路線への転身は、段階を踏んで世間を驚かせました。2006年、当時48歳で発表したファースト写真集『Myself』でのセミヌード披露に始まり、翌年にはヘアヌード写真集を刊行。そして2008年、50歳を迎えた節目にVシネマ系成人指定レーベルからデビュー作『バタフライ』をリリースするに至ります。当時、トップ女優の母親が成人向け映像作品に出演するという前代未聞の事態に、ワイドショーや週刊誌は連日過熱報道を繰り広げました。
世間では「多額の借金苦による金銭トラブル」「事務所の経営危機」といった経済的困窮が動機であると根強く噂されました。しかし、本人が出版記念会見や情報番組の独占インタビュー、自著の中で繰り返し語った本音は、それらとは大きく異なる心理的要因でした。それは「誰かの母親」や「マネージャー」という付属的な立場ではなく、「一人の独立した女としての自己表現と承認欲求」への回帰です。
幼少期から娘の芸能活動をゼロからマネジメントし、すべてを家庭と仕事に捧げてきた有里氏にとって、祐実氏の成人・独立は一種の「空の巣症候群(エンプティ・ネスト)」を引き起こしました。自身のアイデンティティを見失いかけた過程で、「50歳になっても女性として美しく見られたい」「誰にも縛られずに自分の肉体で生きてみたい」という渇望が湧き上がったと述懐しています。さらに、美容整形手術(二重切開や豊胸など)を受けた事実をテレビ番組で堂々と公表したことからも、年齢の衰えに抗い、自己の女性性を社会へ強く誇示したいという強烈な自我がアダルト出演という過激な選択肢を後押しした背景が読み取れます。